正組合員のみなさま

GAP(農業生産工程管理)に取組む

GAPとは

 GAP(ギャップ)とは、Good(良い) Agricultual(農業の) Practice(実践)の略称です。農林水産省では、「農業生産工程管理」と訳しています。

 農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組みのことです。これを多くの農業者や産地が取り入れることにより、結果として競争力の強化、品質の向上、農業経営の改善や効率化に資するとともに、消費者や実需者の信頼の確保が期待されるため、今、全国でこの取組みが進められています。

接続可能な農業の実現

GAPをもっと詳しく学びましょう!

1. 農業にはこんなリスクが潜んでいる!

食品の安全

 たとえば・・・○○部会の残留農薬検査において残留農薬基準値の超過が発覚。同日出荷分の生産者すべてが無制限の自主出荷停止、その後も風評被害により被害額は膨大に・・・

労働の安全

 農作業中の死亡事故は全国で312件(平成28年度)。10万人あたりの死者数は建設業の2倍。およそ1日に1人が農作業中の事故で亡くなっている。

環境の保全

  • 業廃棄物の放棄による環境汚染
  • 農薬の垂れ流しによる水質汚染
  • 過剰な化学肥料の投入による土壌環境の破壊

 残留農薬の超過や、農作業事故は、起こってしまってからでは取り返しがつかなくなります。
 起こりうるこれらのリスクを未然に防ぐことが、あなたの農業とあなたの人生を守るために重要です。

2. 誰もがすでにGAPに取組んでいる?!

 たとえば、栽培履歴の記帳、廃ビニール・廃プラスチックの適正処理(JAによる回収)、農薬保管庫の設置、農業労災保険への加入もGAPの点検項目のひとつです。GAPにおいて最も重要なことは、日々の農作業に潜む様々なリスクを様々な方法で防止していくことです。
 そして、安全に農作業が行えているか定期的に見直し、改善を行い、計画を立てて、より良い農業経営を目指していくのがGAPの目的です。

GAPによる生産工程管理

3. 「GAP」に取組むと、「GAP認証」をとるには違いがあります

「GAP」に取組む

 農業者自らが実施すること
 ⇒認証を取得しているかどうかは問わない!

「GAP認証」をとる

 第三者機関による審査によって、GAPを正しく実施していることが証明され、認証を受けること

 実需者(バイヤーなど)がどのGAPを求めているかによって「取組む」もしくは「とる」GAPを選択していく必要があります。

4. まずは、GAPに取組みましょう

JAさがみ「良い農場」点検項目シートをご活用ください!

 JAさがみでは、農業生産のすべての工程において適正管理が行えるよう、「JAさがみGAP」を改訂し、持続可能な農業を実現するために、農業経営の改善を行うための新たなツール「JAさがみ「良い農場」点検項目シート」※を作成しました。

JAさがみ「良い農場」点検項目シート
  • JAさがみ管内の農業経営形態を踏まえて作成しましたので、国や県のガイドラインに完全準拠しているものではありません。
  • JAさがみがGAP認証をするものではありません。

5. 点検項目シートの使いかた

JAさがみGAP 「良い農場」点検項目シート(全作物共通)

1. 基本は、1経営体につき1シート

 果樹・水稲を栽培している方は、全作物共通・果樹・水稲の項目を点検します。
 作物ごとに圃場、出荷調整室等が異なる場合には、作物ごとに点検を行います。

2. 最低1年に1回点検を行う

 春どり・秋どりなど栽培計画にあわせて点検を行うことも可能です。
 点検シートは工程ごと(農場管理、栽培・収穫、調整・出荷)に分かれています。
 実際の作物の生産過程にあわせて点検を行うことが可能です。

3. 改善点を見つける

 項目ごとに点検を行い、状況を記録し、改善の必要がある場合は改善方法を記入します。

点検例 全作物共通の点検項目No.34

4. 次作の点検までに、改善内容に取組む

 点検項目シートで点検を行うだけがGAPではありません。
 農作業を行うご家族や、従業員の方と、作業中の危険な作業・箇所・危害要因となるものを洗い出し、それぞれにどのようなリスクがあるのか考え、リスク回避のための解決策を話し合い、ルールを決めて農作業を行うことが大切です。まずは、そのような話し合いの機会を設けることからはじめてみましょう。
 JAさがみでは各地区のTAC担当者を中心に相談や改善方法の提案などの支援を行っています。

6.さらにレベルアップを図りたい方へ

 神奈川県では、GAP(農業生産工程管理)の共通基盤に関するガイドライン(農林水産省、平成22年4月策定)に完全準拠したGAPチェックシートを作成しました。労働者を雇用している方や、GAP認証を取らずとも、国のガイドラインに完全準拠したGAPに取組みたい方は神奈川県GAPに取組んでください。チェックシートの入手については、神奈川県のホームページより閲覧が可能です。
 また、第三者認証GAP(JGAP、ASIAGAP、GLOVALG.A.P)の取得に向けた相談対応も行なっております。お気軽にご相談ください。

GAP様式集

JAさがみGAP「良い農場」点検項目シート

点検項目シートダウンロード先

 全作物共通と栽培品目にあわせて該当のシートをダウンロードし、GAPへの取組み状況の点検時にぜひご活用ください。

参考様式集

 GAPへの取組において、農薬や資材などの在庫管理簿に記録をしておくと、在庫の削減や期限切れ農薬などを減らすことにつながります。ここには、経営改善に役立つ管理簿等の様式を掲載いたしておりますので、ご自由にダウンロードいただき、経営改善にお役立てください。

主な検査機関

 残留農薬検査や水質検査を実施している主な検査機関は下記のとおりです。

株式会社 つくば分析センター

〒305-0047 茨城県つくば市千現2-1-6 つくば研究支援センター D-30
電話 029-858-3100

詳細はこちら

株式会社 ベジテック 理化学分析センター

〒216-0012 神奈川県川崎市宮前区水沢1-1-1
電話 044-750-8921

詳細はこちら

株式会社 食環境衛生研究所

〒379-2107 群馬県前橋市荒口町561-21
電話 027-230-3411

詳細はこちら

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